素材のはなし

第1回:大豆イソフラボン

大豆イソフラボンとは

大豆の胚芽に多く含まれるポリフェノールの一種。化学構造が女性ホルモンのエストロゲン()に似ているため、植物女性ホルモンとも呼ばれます。体内で女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをすると言われています。

エストロゲンは、女性らしい体つきや美しい肌をつくることに関与する女性ホルモン。また、カルシウムが骨から過剰に溶け出すのを防ぎ、体内のカルシウム量の調節をおこないます。

大豆イソフラボンを含む食品

大豆、豆腐、納豆、きな粉、豆乳などの大豆製品

 

大豆イソフラボンの種類

●グリコシド型イソフラボン

煮豆や納豆、豆腐などに含まれる通常のイソフラボン。
グリコシド型は、分子量の大きいイソフラボンで、人間が摂取しても腸内細菌の酵素のちからで「アグリコン型」にしなければ吸収されません。

(腸内細菌には個人差があるので、吸収性にばらつきがあります)

●アグリコン型イソフラボン

大豆食品の中では味噌に多く含まれるイソフラボン。

アグリコン型は、グリコシド型に比べて分子量が小さいため、胃で速く効率的に吸収されます。摂取の際はアグリコン型がおすすめ。

大豆イソフラボンの働き

〔 更年期障害・骨粗鬆症 〕

女性ホルモンが関係する更年期障害のさまざまな症状、発汗異常・めまい・動悸などの自律神経失調症、不眠症、神経障害などをやわらげる効果が認められています。
閉経後や女性の更年期にはエストロゲンの分泌が低下し、急激な骨量の減少を招き、骨粗鬆症が発症しやすくなります。大豆イソフラボンは、骨のカルシウムの溶出を防ぐことに関与するので、骨粗鬆症の予防や改善に役立ちます。

骨の健康維持には、その他にカルシウム、マグネシウム、ビタミンDなどの栄養素も重要です。

〔 乳がん・前立腺がんの予防 〕

乳がんは、エストロゲンが過剰に分泌されることにより、発症しやすくなります。大豆イソフラボンは、エストロゲンがからだに過剰にあるときに、その働きを弱めて乳がんを予防すると考えられています。
また、大豆イソフラボンは更年期の男性に多いといわれている、前立腺がんの予防効果があることがわかっています。女性に限らず、男性にも有効な成分といえます。

〔 血清コレステロールの低下 〕

大豆イソフラボンの摂取により、血清コレステロールを低下させ、循環器疾患のリスクを軽減させることが確認されています。

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